即位礼正殿の儀になぜ八咫鏡(やたのかがみ)がないのはなぜ?理由と三種の神器についても
即位礼正殿の儀では剣璽(けんじ)等を松の間にお持ちになることが予定されています。
そしてこの剣璽は「剣璽等承継の儀(けんじとうしょうけいのぎ)」にて用いられます。
この剣璽等とは三種の神器のことのようなのですが、なぜ八咫鏡がないのでしょうか?
退位・即位の儀を見ることなど普段ありませんので分かりませんよね。
今回こちらについて調べてみましたのでご紹介したいと思います。
即位礼正殿の儀の剣璽・三種の神器の意味は?
即位礼正殿の儀では天皇陛下が剣璽や御璽、国璽を伴って松の間に入場するとされています。
この剣璽は普段、天皇の寝室の隣にある「剣璽の間」に安置されているとのことです。
さて、この剣璽ですが、かの有名な三種の神器のうちの2つのことを示しているのです。
この三種の神器こそが、皇位の証とされており、退位及び即位にあたってはこの神器が継承されることをその目的の1つとしています。
三種の神器とは?
三種の神器という名前自体は聞いたことがあるが、その実態は何なのかよくは知らないという方も多いんじゃないでしょうか。
三種の神器とは剣・玉・鏡のことで
- 天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ) ※草薙剣とも言う
- 八尺瓊勾玉(やさかにのまがだま)
- 八咫鏡(やたのかがみ)
の3つのことを言います。
儀式ではこのうち、1.神剣(天叢雲剣)と2.神璽(八尺瓊勾玉)を実際に松の間にお持ちして、天皇陛下が即位に伴って受け取られるという儀なんですね。
このうち、天叢雲剣と八咫鏡はレプリカで、本物は全国の神社に祭られていると信じられており、八尺瓊勾玉だけは本物であると言われています。
(中は天皇陛下でさえ見ることは許されないため、確かめた人はいないとのこと)
3つ目の八咫鏡(やたのかがみ)がないのはなぜ?賢所の儀の意味とは?
ちなみにですが、3つ目の八咫鏡だけは松の間へお持ちしません。
この八咫鏡は天照大御神(アマテラスオオミカミ)の神体(神が宿っている依代)として宮中の賢所(かしこどころ)に安置されています。
三種の神器のうち八咫鏡が最も神聖な神器であるとされており、アマテラスオオミカミを祀る賢所としては、ご神体を動かすことはできないため八咫鏡だけは儀式にお持ちしないのです。
(八咫鏡はレプリカではありますが、ご神体としてアマテラスオオミカミが宿っているとされているためですね)
そのため、即位の儀の裏で「賢所の儀」を行い、アマテラスオオミカミへと天皇の御代替わりをご報告することになるそうです。
八咫鏡だけは動かさずに別室で儀式を執り行うなんて、なんとも神聖な印象がしますね。
まとめ
まとめると、
- 剣璽とは三種の神器のうち「天叢雲剣」と「八尺瓊勾玉」の2つを示している。
- 「八咫鏡」だけは賢所のご神体であるため儀式では動かさない。
- 「八咫鏡」に宿るアマテラスオオミカミには賢所の儀により天皇御代替わりが伝えられる
でした。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。