高齢者の免許を剥奪しないのはなぜ?免許更新の高齢者講習ではなにをしてるの?
昨今、高齢者による暴走運転による痛ましい事件が後を絶ちません。
最近では池袋の暴走事故などがありましたが、なぜあのような事故を起こす高齢者が平然と公道を走ることを許されているのでしょうか。
さらに、池袋の暴走事故を起こした老人は免許更新を問題なく通過していたとのこと。
- 国はなぜ高齢者の免許を剥奪しないのか
- 現行の免許更新は高齢者の何を検査しているのか
これらについて強く気になりましたので調べてみました。
目次
なぜ高齢者の免許を剥奪しないのか
まず一番の疑問ですが、なぜ国は高齢者から免許を剥奪しないのでしょう?
代替となる交通手段がないから?
都会ですと、電車やバス、タクシーなど代替手段がありますが、田舎では車を自分で運転するしか交通手段がないということが理由の1つのようです。
老人を殺すつもりか。
こう言われると国も強く出れないのでしょう。
しかしこの点に関しては、宅配の距離やサービスも劇的に向上してきています。
将来的にはドローンを利用した宅配なども考案されていますし、こうした高齢者を社会的仕組みでカバーできるようになる時代ももうすぐかもしれません。
高齢者の投票権も無視できないため
未だこの国は高齢者社会。 投票権の多くを高齢者が保持しています。
これにより、若者側の意見が通りづらいというのは少なからずあると思います。 ただでさえ数も少ないのに投票率も低いですからね。
池袋の高齢者ドライバーがまた悲惨な死亡事故を起こしたけど、 それを見て「いい加減法律で免許取り上げろよ」って言ってる2、30代はいい加減投票率の大事さ気付いて行けよ! 高齢者しか選挙行かないのに高齢者から免許剥奪したら票が貰えなくなるんだからそんな不利なこと手をつけられるわけ無いだろ
— まっすー (@SYANHAIQ) 2019年4月19日
政治家からしたら高齢者に不利な政策をとりづらい心境があるのは想像に難くないですね。
これから世の中を変えていくには、それらの声をひっくり返すだけの若者の投票率向上も必要となってくるのでしょう。
免許更新時の高齢者講習ってなにをするの?
池袋の暴走事件では、加害者の直前の免許更新では運転しても問題ないと判断されていたそうです。
免許更新時、高齢者には高齢者講習などというものが義務付けられているそうですが一体何を行なっているのか調べてみました。
認知機能検査は意味の薄い簡単検査
認知機能検査とはどういったものなのでしょう?
警視庁のホームページに内容が掲載されていたので抜粋します。
ご自分の判断力、記憶力の状態を知っていただくための簡易な検査です。 「時間の見当識」・「手がかり再生」・「時計描画」の3つの検査を行います。
時間の見当識 検査時の年月日、曜日及び時間を回答していただきます。
手がかり再生 16種類の絵を記憶し、何が描かれていたかを回答していただきます。
時計描画 時計の文字盤を描き、指定された時刻を表す針を描いていただきます。
出典 警視庁ホームページ
内容としては判断力、記憶力の検査で結果によっては免許取り消しもあるようですが、
まさか警視庁の公式ホームページに簡易な検査ですと書いてあるとは思いませんでした。
さらに
- 曜日を答える とか
- 時刻を答える とか
内容が本当に簡易すぎませんか? 運転免許の更新のための検査とは信じられません。
ちょっとこれにはびっくりしました。
高齢者講習には不合格がない!
認知機能検査に加えて高齢者講習というものもあるようです。
こちらは内容的には運転もあるようなのですが、次の一文に愕然としました。
高齢者の方が更新時に受ける一般的な講習です。 高齢者講習を委託している都内47ケ所すべての教習所及び府中・鮫洲運転免許試験場(江東運転免許試験場では実施していません)で受講できます。 試験ではないので、必ず終了証明書が交付されます。
出典 警察庁ホームページ
試験ではないので必ず終了証明書が交付されます。
と書いてありますね。 どんなに結果が悪かろうが免許は与えられるということでしょう。
高齢者事故の理由の一端は認知症だけではなく、運動能力の低下もその1つでしょう。 池袋の暴走事故は痛めた足で運転していたとの報道もありました。
このような免許更新では、高齢者ドライバーによる事故を未然に防ぐことはできないのではないでしょうか。
まとめ
まとめると
- 代替手段を用意できないため、免許剥奪に踏み切れない
- 投票率が下がるため、高齢者に不利な政策は行えない
- 認知症検査では、結果次第では免許停止・取消しもあり得るが、公式(警視庁)が簡易なものと言っている。
- 高齢者講習では、運転もあるが試験ではなく講習のため、落ちることは絶対にない。
とても現行制度では高齢者による死亡事故を防げるとは思えない状況であることが分かりました。
最後は自分の身は自分で守るしかないのかもしれませんね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。